死亡事故の損害賠償
1死亡事故の損害項目
交通事故に遭い、交通事故被害者の方がお亡くなりになられてしまった場合、ご遺族が損害賠償請求できる主要な項目は、以下の4つになります。
死亡事故の損害賠償の4分類
分類 | 項目 | |
① | 治療費 | 死亡までの治療費など |
② | 葬儀関連費用 | 葬儀費用など |
③ | 死亡逸失利益 | 死亡しなければ被害者が得たであろう経済的利益を失ったことによる損害 |
④ | 死亡慰謝料 | 生命を失ったこと自体に対する精神的損害 |
2死亡による逸失利益
死亡しなければ被害者が得たであろう経済的利益を失ったことによる損害のことをいいます。
以下の計算式で算定されます。
逸失利益=基礎収入×(1 – 生活費控除率)×(就労可能年数に対応するライプニッツ係数)
死亡による逸失利益では、基礎収入をいくらにするか、生活費控除率をいくらにするかが主な争点になります。
① 基礎収入
給与所得者、事業所得者、会社役員、家事従事者、学生、幼児、年金受給者、失業者などそれぞれの類型で、基礎収入の基準があります。
② 生活費控除率
被害者の家庭内の地位に応じて、原則として30~50%の範囲内で数値の認定をする。
③ 就労可能年数
原則として67歳となるまでの期間とするが、高年齢者については67歳までの年数と各年の簡易生命表の平均余命年数の2分の1のいずれか長期の方を使用します。
④ 就労可能年数に対応するライプニッツ係数
将来の得べかりし利益を現在の価格に計算し直すための係数です。そして、中間利息の控除利率は年5%となっています。
死亡慰謝料
死亡による慰謝料は、死者の年齢、家族構成などにより決定されます。一家の支柱か、それに準じる立場か、又は、それ以外の立場かにより、金額が異なります。
死亡事故において保険会社から示談額があった場合の注意点
死亡事故においても、自賠責保険の基準と裁判所の基準は異なることがありますので、保険会社から示談が提案された場合、死亡による逸失利益及び死亡慰謝料の額が低額なことがあります。
保険会社から提案があり、この内容で正しいのか疑問をお持ちの方は、まずは、当事務所までご相談下さい。